外国人技能実習生制度について
1.どんな目的の制度なの?
外国人技能実習制度は、一言でいうと 「日本の技術や知識を、開発途上国の人々に伝え、その国の経済発展をサポートする制度」 です。
例えば、日本の工場で製品を作る技術や、農業で美味しい野菜を育てる方法、建設現場での安全な作業の仕方など、日本には世界に誇る様々な技術やノウハウがあります。
この制度は、そういった日本の優れた技術を、開発途上国から日本にやって来る若者たち( 「技能実習生」 と呼びます)が、日本の企業で働きながら実際に学び、習得することを目的としています。そして、彼らが母国へ帰ったときに、その学んだ技術を活かして、自国の発展に貢献してもらうことを目指しています。
2.具体的にどういう仕組みなの?
技能実習生は、最長で5年間、日本に滞在することができます。その間、受け入れ企業(皆様の会社のような場所です)で、社員として働きながら、現場での実践的な訓練(OJT:On-the-Job Training)を通じて、専門的な技能や日本語を習得していきます。
この制度は、大きく分けて2つのパターンで受け入れが行われています。
企業単独型: 日本の企業が、海外にある自社の関連会社や取引先から直接、技能実習生を受け入れる形です。
団体監理型: 多くの企業が利用する形です。国の許可を受けた「監理団体」(事業協同組合や商工会など、非営利の団体)が、技能実習生を受け入れ、その監理団体の傘下にある様々な企業で技能実習を行います。監理団体は、実習計画の作成支援や、実習生の生活サポートなど、幅広く支援を行います。
技能実習生は、日本の労働関係法令(最低賃金や労働時間など)に基づいて雇用されるため、日本人社員と同じように適切な賃金が支払われ、労働時間なども厳しく管理されます。
3.この制度の「これから」について
外国人技能実習制度は、これまでの長きにわたり国際貢献に寄与してきました。しかし、運用上の課題も指摘されてきたことから、現在、政府はこの制度を 「育成就労制度(いくせいしゅうろうせいど)」(仮称) という新しい制度へと切り替えることを決定しました。
新しい制度では、技能実習制度の目的である国際貢献に加え、「日本国内の人手不足への対応」 という側面もより明確に位置づけられます。また、技能実習生(新しい制度では「育成特定技能外国人」と呼ばれる予定です)が、より安心して日本で学び、働くことができるよう、転籍(職場を変えること)のルールが緩和されるなど、様々な改善が図られる予定です。
この新しい制度への移行は、今後数年かけて段階的に進められます。

基本人数枠
「基本人数枠」とは、外国人技能実習制度において、受け入れ企業(実習実施者)が受け入れることができる技能実習生の人数を定める際の、最も基本となる上限の数字のことです。特に「団体監理型」の受け入れにおいて、この基本人数枠が基準となります。
実習実施者の常勤の職員の総数 | 技能実習生の人数 |
---|---|
301人以上 | 常勤職員総数の20分の1 |
201人~300人 | 15人 |
101人~200人 | 10人 |
51人~100人 | 6人 |
41人~50人 | 5人 |
31人~40人 | 4人 |
30人以下 | 3人 |
※ 常勤職員数には、技能実習生(1号、2号及び3号)は含まれないです。
人数枠(団体監理型)
「人数枠(団体監理型)」とは、外国人技能実習制度において、監理団体を通して技能実習生を受け入れる企業(実習実施者)が、同時に何人までの技能実習生を受け入れることができるか、という上限の人数を指します。
通常の者 | 優良基準適合者 | |||
---|---|---|---|---|
第1号(1年間) | 第2号(2年間) | 第1号(1年間) | 第2号(2年間) | 第3号(2年間) |
基本人数枠 | 基本人数枠の2倍 | 基本人数枠の2倍 | 基本人数枠の4倍 | 基本人数枠の6倍 |